いよいよ松村 宗混(まつむら そうこん)の闘う日がやってきました。
二人がかりで手綱をとられた”人殺し”が入ってきました。
猛牛”人殺し”は、大観衆に興奮して猛気を発しています。そこへ入場してきた松村の異様な格好に大観衆は、息をのみました。何と松村は、全身に真っ赤な衣装を着ているのです。これは、わざわざ牛を挑発するようなものです。
『手綱をはずせ』 松村が、声を張り上げました。観衆は、再び息をのみました。沖縄の闘牛は、牛をはなして勝手に闘わせるのではなく手綱を操って一方が戦意をなくすまで戦わせる勝負です。手綱をはなすと相手を刺し殺すまで止めないからです。それを松村は、一人で立ち向かうと言うのですから観衆が驚いたのも当然です。

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『外国船が、外海をおびやかし国内は、国内で士民窮乏を訴え人々の士気が沈滞しているのは、なげかわしい次第であり、質実剛健の気風を養成すべきである。ここに”人殺し”なる猛牛これあり。畜生の分際で万物の霊長たる人間の心胆を寒からしめている。不届千万な奴である。
よってこれと今、武名天下一と讃えられる松村宗混(まつむら そうこん)とを闘わせて惰眠をむさぼる青年達へ覚醒の警鐘としたい』
松村は、手紙を受取った王子に呼び出され猛牛と闘う事を了承します。

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尚灝王(しょうこうおう)1804〜1827の時代に沖縄一の空手の達人
松村 宗混(まつむら そうこん)という方が首里に生まれました。
幼少の頃から武才を現し17歳〜19歳の頃には、沖縄中に名が知れわたる程の武芸者になっていました。松村宗混は、学問にもはげみのお側役や明治維新まで3代の王の側近として仕えました。
文武両道の天才的な武人・松村に尚灝王は、無理、難題を吹っかけます。

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沖縄の言葉にも下記のような言葉が、あります。
『人ぬ 情けー 松ぬ 葉にん 包まりーん』人の情けは、松の葉にも包まれる。
人の情けや親切は、目に見えるものだけではない。松の葉のような細く小さい葉でも包めるような情けと言うのもあると言う意味です。
人は、どちらかと言うと目に見え形のある物に相手の好意を多く感じますよね!しかし情けと言うものはそういう物だけではないと思います。

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